つくれるもの

ECサイト構築の費用は?作り方別の目安と失敗しない進め方

公開 2026/7/17

ネットショップ・ECサイトのイメージ

「ネットショップ(ECサイト)を作りたいが、費用がピンからキリまでで分からない」——ECサイトの費用は作り方で大きく変わります。同じ「ECを作る」でも、月額数千円で今日から始められる方法もあれば、数百万円かけて独自に作り込む方法もあります。この記事では、3つの作り方それぞれの費用の目安・向き不向き・ランニングコスト、そして「作ったのに売れない」を避ける進め方まで、順を追って解説します。

ECサイトの費用は「作り方」で決まる

まず全体像をつかみましょう。ECの作り方は大きく3方式に分かれ、費用も桁が変わります。

作り方初期費用の目安月額の目安特徴
ASP・カートSaaS(BASE・STORES・Shopify等)0〜数万円数千〜数万円すぐ始められる・標準的
パッケージ利用・カスタマイズ数十万〜数百万円数万〜十数万円ある程度の独自性に対応
フルスクラッチ(独自開発)数百万円以上サーバー・保守で数万〜独自要件・連携に自由に対応

「初期費用が安い=トータルで安い」とは限りません。ASPは初期が安い代わりに売上に応じた手数料がかかり、フルスクラッチは初期が高い代わりに月々の固定費を抑えやすい、という違いがあります。まず「何を・どれくらい・どう売るか」で、適した作り方が変わります。標準的な販売ならASPで十分なことが多いです。

ECサイトでのオンライン決済のイメージ
ECサイトは決済・在庫・会員など機能が多い。全部を最初から作り込まず、必要な機能に絞るのが費用を抑えるコツ。

3つの作り方の中身と費用相場

ASP・カートSaaS(既製サービス)

ネットショップ用のサービスに登録し、商品を登録すればすぐ売れる方式です。BASE・STORES・Shopify・カラーミーショップなどが該当します。

  • 費用の目安:初期0〜数万円、月額0〜数万円。売上に応じた決済・システム手数料が別途かかる。
  • メリット:最短即日で開店できる。決済・カート・スマホ表示が最初から用意されている。運用や保守を自分で抱えなくてよい。
  • デメリット:デザインや機能がサービスの範囲に縛られる。独自の販売ルールや基幹連携は苦手。売上が伸びると手数料の総額が重くなる。

パッケージ(EC構築ソフト)のカスタマイズ

ECに必要な機能が一通り入った土台(パッケージ)を導入し、必要なところだけ作り替える方式です。

  • 費用の目安:初期数十万〜数百万円、月額(保守・ライセンス)数万〜十数万円。
  • メリット:ゼロから作るより安く早い。会員ランクや複雑な送料計算など、ある程度の独自要件に対応できる。
  • デメリット:土台の作法に沿う必要があり、大きく外れる要件はかえって高くつくことがある。バージョンアップ対応が発生する。

フルスクラッチ(独自開発)

要件に合わせてゼロから作る方式です。自由度が最も高い代わりに、費用と期間もかかります。

  • 費用の目安:数百万円以上。要件次第で大きく上下する。
  • メリット:販売ルール・画面・外部システム連携を思い通りに設計できる。手数料や仕様の制約から自由になれる。
  • デメリット:初期費用と開発期間が大きい。仕様が曖昧なまま進めると、追加費用で膨らみやすい。

方式別の向き・不向き早見表

こんな場合向いている方式
まず小さく試したい/点数が少ないASP・カートSaaS
デザインや世界観にこだわりたいShopify等の柔軟なASP、またはパッケージ
会員ランク・定期購入など独自ルールがあるパッケージまたはフルスクラッチ
基幹システム・在庫・受発注と連携したいフルスクラッチ
売上規模が大きく手数料負担を減らしたいパッケージまたはフルスクラッチ

「まずASPで始め、事業が伸びて独自要件が出たら作り込む」という段階的な進め方も有効です。最初から全部を作り込む必要はありません。判断に迷ったら、次の3つの問いに答えてみてください。

  • 今のこだわりは「見た目」か「仕組み」か:見た目中心なら柔軟なASP、仕組み(販売ルールや連携)中心なら開発寄り。
  • 1年後に何点・月商いくらを見込むか:規模が小さいうちは既製サービス、伸びる見込みが強いほど独自化の投資が回収しやすい。
  • 社内に運用できる人がいるか:運用体制が薄いなら、保守を抱え込まない既製サービスが無難。

ここを曖昧にしたまま「とりあえず立派なものを」と作ると、使わない機能に費用を払うことになりがちです。

ECサイトに必要な主な機能

見積りの前に、ECに何が必要かを把握しておくと、要件の絞り込みがしやすくなります。

  • 商品・カタログ:商品登録、カテゴリ、検索、在庫表示、バリエーション(色・サイズ)。
  • カート・注文:カート、注文確定、送料・手数料計算、クーポン。
  • 決済:クレジットカード、コンビニ払い、代引き、QRコード決済、後払いなど。
  • 会員・マイページ:会員登録、購入履歴、お気に入り、住所帳。
  • 配送・在庫:配送方法の選択、伝票連携、在庫の引き当て。
  • 管理・分析:受注管理、売上集計、メール配信、アクセス分析。

このうち「絶対に必要な機能」と「後から足せる機能」を分けるだけで、初期費用は大きく変わります。最初は核となる販売機能に絞り、会員ランクや高度な分析は運用しながら追加するのが定石です。

目安として、機能を「最初に要るもの」「後で足せるもの」に分けると次のようになります。

最初に要る(必須)後で足せる(運用しながら)
商品登録・カート・決済・注文管理会員ランク・ポイント
送料計算・基本的な在庫表示定期購入・予約販売
問い合わせ・特定商取引法の表記高度なレコメンド・分析
スマホ表示多言語・多通貨対応

「あると便利」を最初から全部入れると、費用も期間も膨らみます。まずは注文が取れて出荷できる最小構成で公開し、売上のデータを見ながら投資先を決めるのが、費用対効果の高い進め方です。

見落としがちなランニングコストと連携の壁

ECは「作って終わり」ではなく、売れ続ける限り毎月コストがかかり、周辺システムとの連携が運用の成否を左右します。ここを甘く見ると後で誤算になります。

毎月かかるランニングコスト

初期費用だけで比較すると、後で「思ったより手元に残らない」となりがちです。

  • 決済手数料:売上の3〜4%前後が目安。売れるほど総額が増える、いわば売上連動の固定費。
  • サーバー・ドメイン:フルスクラッチなら月数千〜数万円。アクセスが増えると上がる。
  • 保守・運用:不具合対応、セキュリティ更新、機能改修。外注する場合は月額または都度費用。
  • 決済・外部サービスの月額:カートSaaSの月額、メール配信、レビュー機能などの追加ツール。

例:小規模なアパレルショップのケースでは、初期費用がほぼ0でも、月商が伸びるにつれ決済手数料が毎月の一番大きな出費になる、ということが起こります。**「初期いくら」より「月にいくら残るか」**で見るのが正しい比較の仕方です。

決済・物流・在庫の「連携」でつまずく

ECの難しさは、サイト単体ではなく周辺システムとのつながりにあります。ここを甘く見ると、注文は入るのに裏側が回らない、という事態になります。

  • 決済連携:決済代行サービスとの接続。カード・後払い・QR決済など複数手段への対応。
  • 物流・配送連携:配送業者の送り状発行、出荷通知、追跡番号の反映。
  • 在庫連携:実店舗や他モールと在庫を共有する場合、二重販売を防ぐ仕組みが必要。
  • 基幹・会計連携:受注データを在庫管理や会計に流し込む。手作業のままだと注文増で破綻する。

例:実店舗とネット販売を並行する小売店のケースでは、在庫連携がないと「店頭で売れた商品がネットでも売れてしまう」欠品トラブルが起きます。こうした連携要件があるほど、既製サービスの範囲を超え、パッケージやフルスクラッチが必要になります。

費用の考え方はシステム開発の費用相場もご覧ください。

「作っただけでは売れない」集客の壁

最も見落とされがちなのが、サイトを作ることと売れることは別だという点です。開店しても、お客さんが来なければ売上はゼロです。

  • 集客の手段:検索(SEO)、SNS、広告、メール、モール併売など。どれも継続的な運用が要る。
  • かかる費用:広告費、コンテンツ制作、写真撮影、運用の人件費。作った後にこそお金と手間がかかる。
  • 改善の運用:アクセスや購入率を見て、商品ページや導線を直し続ける必要がある。

つまり、予算配分は「作る費用」だけでなく「集客・運用の費用」まで含めて考えるべきです。豪華なサイトを作り込んで予算を使い切り、集客にお金が回らず売れない——というのはありがちな失敗です。まずは必要十分な機能で作り、集客・改善に予算を残すほうが、多くの場合うまくいきます。

目安として、「作る費用」と「その後の集客・運用費用」を切り分けて考えると次のようになります。

  • 立ち上げ期:まず商品を並べて注文を受けられる状態にする。ここで作り込みすぎない。
  • 集客期:検索・SNS・広告で人を集める。写真や商品説明の質が売上を左右する。
  • 改善期:アクセスや購入率のデータを見て、売れない原因を1つずつ潰す。

この3段階のどこにお金と時間を使うかは、事業のフェーズで変わります。開店直後にいきなり高機能なサイトが要ることはまれで、多くの場合は「そこそこの機能+しっかりした集客」の組み合わせが費用対効果に優れます。

100万円で作れるECの範囲と一律料金という選択肢

独自要件のECサイトは費用が青天井になりがちですが、D-oneAppは料金が一律100万円(大規模なプロプランは一律200万円)。着手前に総額が確定するので、「まず核となる販売機能から」と範囲を決めて作れます。

100万円の範囲でも、たとえば次のような「核」から始められます。

  • 商品カタログ・カート・決済・注文管理といった、販売に必須の一連の流れ。
  • 自社の販売ルールに合わせた、既製サービスでは実現しづらい独自の画面や導線。
  • まず1つの連携(例:決済または在庫のどちらか)に絞った、実務に耐える最小構成。

会員ランクや高度な分析、複数の外部連携などを最初から全部盛りにすると膨らむため、「今の事業に効く機能」から順に作るのがコツです。追加費用なしで総額が固定されるため、「作ってみたら想定外の請求が来た」というEC開発にありがちなリスクを避けられます。

一律料金の特徴を整理すると、次の点で予算が立てやすくなります。

  • 着手前に総額が確定:見積りの積み上げで金額が動かないため、社内の予算承認が通しやすい。
  • 追加費用なし:仕様の詰めで金額が膨らむ不安がなく、機能の優先順位に集中できる。
  • 成果物の権利が自社に渡る:将来ほかの会社に引き継ぐときも、ソースコードを持っているので不利になりにくい。

「まず小さく作って、売れたら育てる」という進め方と、総額が固定される一律料金は相性が良い組み合わせです。100万円で作れる範囲は100万円で作れるものの具体例もご覧ください。

一般化ミニ事例:3つのパターンで見る費用感

作り方の違いを、よくある3つのケースでイメージしてみましょう(いずれも一般化した例です)。

  • 例1:ハンドメイド作家が数十点を売るケース。まずはASP・カートSaaSで開店。初期費用ほぼ0、月額も数千円で始められ、売れた分だけ手数料。作ることより「知ってもらう」が課題なので、集客と写真に手をかけるのが正解。
  • 例2:実店舗を持つ小売店がネット販売を始めるケース。店頭在庫との二重販売を避けたいので、在庫連携が論点。標準機能で足りなければパッケージのカスタマイズを検討し、初期数十万〜数百万円が目安。連携をどこまでやるかで費用が動く。
  • 例3:独自の会員ランクや定期購入で売るサブスク型のケース。既製サービスの枠に収まりにくく、パッケージのカスタマイズやフルスクラッチが視野に入る。要件を絞れば、まず核の販売機能から一律料金で作る選択肢もある。

同じ「ECを作りたい」でも、売るものと運用の形で最適解はまったく変わります。自分がどのパターンに近いかを見極めることが、費用の無駄をなくす第一歩です。逆に言えば、他社の「これで作った」という事例をそのまま真似ても、自社の売り方や規模が違えば費用も向き不向きもずれます。まずは自社の条件を書き出し、それに合う方式を選ぶ順番が大切です。

見積りと選び方の最終チェック

作り方をひとつに決める前に、見積りの中身と自社の条件を突き合わせておくと、大きな判断ミスを防げます。

見積りを取るときに確認すべきこと

独自開発を検討する段階では、見積りの「安さ」だけでなく、次の点を必ず確認しましょう。ここが曖昧だと、後から追加費用で膨らみます。

  • 総額が固定か、都度精算か:着手前に総額が確定していると予算が立てやすい。
  • どこまでが基本料金の範囲か:決済・在庫・連携のどれが含まれ、どれが別料金か。
  • 保守・運用の費用:公開後の不具合対応や更新が月いくらかかるか。
  • 成果物の権利:ソースコードの権利が自社に渡るか(渡らないと将来の乗り換えで不利になる)。

これらは費用そのものと同じくらい重要です。詳しくはシステム開発の費用相場も参考にしてください。

失敗しないECの選び方チェックリスト

次の項目を確認しておくと、作り方の選択で大きな判断ミスを防げます。

  • 何を・どれくらいの点数・どんな客層に売るかが言語化できているか。
  • 独自の販売ルール(会員ランク・定期購入・特殊な送料など)があるか。
  • 基幹システム・在庫・実店舗との連携が必要か。
  • 初期費用だけでなく、月々のランニング(手数料・保守)まで試算したか。
  • 集客・運用にかける予算を残しているか。
  • 独自開発する場合、総額が着手前に固定される発注方式か。
  • 成果物(ソースコード)の権利が自社に渡るか。

上から順に「はい」が多いほど既製サービスで足り、「独自ルール」「連携が必要」に該当するほど、パッケージやフルスクラッチの検討が現実的になります。

まとめ

ECサイトの費用は作り方次第で、ASPなら月額数千円〜、パッケージで数十万〜数百万円、独自開発なら数百万円以上が目安です。標準的な販売はASPで十分なことが多く、独自の販売ルールや連携が必要になったときに開発を検討しましょう。比較のポイントは「初期いくら」より「月にいくら残るか」、そして「作った後の集客・運用まで予算を残すこと」です。独自ECも要件を絞れば一律100万円で試せます。「うちのECはどう作るのが最適?」は無料相談で整理しましょう。

よくある質問

QECサイト構築の費用はいくらぐらいですか?
A

作り方で大きく変わります。ASP(BASE・Shopify等)なら月額数千円〜で始められ、パッケージ利用で数十万〜数百万円、独自要件をフルスクラッチで作ると数百万円以上が目安です。まず何を売る・どう運用するかで、適した作り方が変わります。

QECサイトは既製サービスと自作どちらがいいですか?
A

標準的なネット販売ならASPや既製サービスが安く早いです。独自の販売ルール・基幹システム連携・特殊なUIが必要な場合は、パッケージのカスタマイズやフルスクラッチが向きます。まず既製で始め、必要になったら作り込む進め方も有効です。

QECサイトの費用を抑えるコツはありますか?
A

①まずASPや既製サービスで始める、②必要な機能に絞る、③総額が固定される発注方式を選ぶ、の3つです。最初から作り込みすぎないことが、費用とリスクを抑える王道です。

Q独自のECサイトを作るといくらかかりますか?
A

独自要件のフルスクラッチは数百万円以上になることが多いですが、要件を絞れば一律100万円(プロは200万円)でも、まず試せる形を作れます。着手前に総額が確定するので予算が立てやすいのが特徴です。